【皮膚科専門医が解説】失敗しないヒアルロン酸注入。メカニズムと正しい製剤の選び方

みなさま、こんにちは。AYUMI SKIN CLINIC 院長の高山です。
鏡を見たとき、深く刻まれたほうれい線や、おでこのシワ、フェイスラインのゆるみが気になり始めたことはありませんか?スキンケアだけでは改善が難しいこれらの悩みに対して、非常に有効な選択肢となるのが「ヒアルロン酸注入」です。 しかし、「ヒアルロン酸」という言葉は化粧品などでもよく耳にするため、注入治療でどのように作用するのか、具体的にどんな効果があるのかを正確にご存知ない方もいらっしゃるかもしれません。今回は、ヒアルロン酸とはそもそも何なのか、そして美容医療においてどのような効果が期待できるのかを詳しく解説します。
「ヒアルロン酸」とは?
ヒアルロン酸は、もともと私たちの体内に存在するゼリー状の物質です。皮膚(真皮層)や関節、眼球などに多く含まれており、非常に高い保水力を持っています。わずか1グラムで6リットルもの水分を抱え込むことができると言われ、肌のうるおい・ハリ・弾力を支える重要な成分の一つです。一方で、体内のヒアルロン酸量は年齢とともに変化し、乾燥感やハリ低下に影響することがあります。
「ヒアルロン酸注入」とは?
美容医療で行う「ヒアルロン酸注入(フィラー注入)」は、体内で減少したヒアルロン酸そのものを“減った部位に補う”治療ではありません。実際には、脂肪や骨の萎縮、靭帯や皮膚のゆるみ、軟部組織の移動などによって生じるボリュームロスを、充填剤として安全に補い、輪郭やバランスを整えることを目的に行います。
美容医療で使うヒアルロン酸製剤(フィラー)とは?
美容医療で使用するヒアルロン酸製剤は、生体内にもともと存在するヒアルロン酸をベースに、体内で分解されにくいよう架橋構造(架橋剤)を加えて性質を調整したものです。注入後は時間の経過とともに自然に分解・吸収される特性があり、必要に応じて溶解酵素(ヒアルロニダーゼ)で調整できる点も、安心材料の一つです。
脂肪吸引との違いとリスク
ボリュームを補う治療には脂肪注入もありますが、採取のための手術が必要となる場合があり、治療のハードルが上がることがあります。その点、ヒアルロン酸注入は変化のイメージが把握しやすく、必要時に調整(溶解)もできるため、取り入れやすい選択肢として選ばれることが多い治療です。なお、従来は長期間持続するフィラーが選択されることもありましたが、安全性を考慮すると適応を慎重に見極め、安易な注入は避けるべきだと考えます。
美容医療におけるヒアルロン酸注入のメカニズム
美容医療で用いるヒアルロン酸注入は、透明なジェル状の製剤を皮膚の下や骨の上に直接注入する治療法です。 かつてのヒアルロン酸注入は、「シワの溝を直接埋めて平らにする」という方法が主流でした。しかし現在の注入治療はもっと進化しています。加齢によって萎縮した骨や、減少した皮下脂肪のボリュームを補うように注入することで、肌の土台となる構造を立て直し、下から組織を持ち上げる「アンカー(支柱)」としての役割を果たします。これにより、単にシワを消すだけでなく、お顔全体のバランスを整えながら自然なリフトアップ(たるみ改善)を叶えることができるのです。
期待される多様な効果
ヒアルロン酸注入は、注入する部位や製剤の種類によって、様々な効果をもたらします。
• ナチュラルなリフトアップ:支持靭帯にある各リフトアップポイントへの少量ずつの注入で、ナチュラルな引きあがり効果が得られます。
• 深いシワ・たるみの改善:ほうれい線、マリオネットライン、ゴルゴラインなど、くっきりと刻まれた深い溝を内側から持ち上げて改善します。
• パーツの形成・デザイン: おでこを丸く整えたり、顎を出してフェイスラインをシャープにしたり、唇をふっくらさせて魅力的な口元を作るといった、お顔の立体感を引き出すデザインも可能です。また、年齢が出やすい手の甲に注入して若々しい手元にすることもできます。
美容医療におけるヒアルロン酸注入のメカニズム
ヒアルロン酸製剤には、まとまって形を保つ(凝集性)タイプから、硬さ+粘り(粘弾性)のあるタイプまで様々な種類があります。AYUMI SKIN CLINICでは、これらをお悩みの部位や目的によって緻密に使い分けています。 例えば、骨の土台としてリフトアップを狙う部位や、顎の形成には「硬め」の製剤を使用し、形をしっかりキープします。一方、皮膚が薄い目元や、動きの多い口周り、唇をふっくらさせたい場合には、なじみの良い「柔らかめ」の製剤を選択します。
さらに近年では、シワを物理的に埋めるだけでなく、肌の奥にある線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成を促す「プロファイロ」のような、ハイブリッドヒアルロン酸(肌育ブースター)も登場しています。ヒアルロン酸の力で自然なふっくら感とハリを育む、次世代のエイジングケアとして当院でも非常に人気の治療です。
ヒアルロン酸はアレルギー反応のリスクが極めて低く、万が一仕上がりが気に入らない場合は溶解注射で溶かすこともできる安全性の高い治療です。シワやボリューム不足でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
ヒアルロン酸注入に関するよくあるご質問
- 注入したヒアルロン酸はずっと体内に残るのでしょうか?
- いいえ、注入したヒアルロン酸は時間とともに徐々に体内に吸収されていきます。製剤の種類や注入部位によって異なりますが、一般的には数ヶ月から1年半程度持続します。完全に吸収される前に定期的にメンテナンスをすることで、良い状態を長く保つことができます。
- ヒアルロン酸を打つと不自然な「パンパンな顔」になりませんか?
- 適切な製剤を選び、解剖学に基づいた正しい位置に適切な量を注入すれば、不自然になることはありません。当院では「いかにも入れた」という不自然な仕上がりではなく、ご自身の本来の美しさを引き出す、自然で上品な若返りを目指してデザインしています。
- ボトックス注射とは何が違うのですか?
- ボトックス注射は、筋肉の過剰な動きを弱めることで「表情ジワ(笑った時の目尻や、眉間、額のシワなど)」を予防・改善する治療です。一方、ヒアルロン酸注入は、ボリュームが減って凹んでしまった部分を補ったり、深い溝を内側から持ち上げたりする治療です。原因が異なるため、これらを組み合わせることでより高いエイジングケア効果が得られます。
- ヒアルロン酸で肌質を良くすることはできますか
- はい、可能です。通常のヒアルロン酸はボリュームを補う目的ですが、カニューレで広範囲に薄く注入する場合には、注入部の保水効果やコラーゲン産生刺激により肌質の改善効果も得られます。また、当院で採用している「プロファイロ」などの肌育目的のヒアルロン酸製剤を使用すれば、さらに細胞レベルに働きかけてコラーゲンやエラスチンの自発的な生成を促すため、肌全体のハリや弾力、潤いを根本から改善することができます。
- 痛みはありますか?
- 針を刺す際にチクリとした痛みや、皮膚内をカニューレが進む際や注入時に押されるような鈍い感覚があります。痛みに弱い方には、麻酔クリーム等を使用するなど、できる限り苦痛を和らげる工夫をしておりますので、カウンセリング時に遠慮なくご相談ください。
Menu 関連施術詳細
- 未承認医薬品等について:本施術は、未承認機器・未承認医薬品を使用した自由診療です。
- 入手経路等について:薬機法に基づき、医師による個人輸入または個人購入にて導入・治療を行っています。
※ご参考:個人輸入に関する厚生労働省の案内
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/ - 国内の承認医薬品等の有無について:同一の成分・性能を有する国内承認医薬品等はありません。
- 諸外国における安全性等に係る情報について:重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
- 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
